ZoomでKeynoteの発表者ツールを使う

こんにちは、ヤマグチです。

この記事は私の所属しているコミュニティ:ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会 の『ノンプロ研 Advent Calendar 2020』5日目の記事です。

発表者ツールのメリット

私はときどきお仕事で講演することがあります。だいたい20-200人くらいの方に夕方の時間帯にお話することが多いです。私はMacユーザーなので、Keynoteというソフトを使ってプレゼンテーションしています。

発表者ツールとは聴衆が見る画面とは別の、発表者だけでみることができる画面です。現在のスライドと次のスライド、現在時刻や経過時間、残り時間、メモなどを見ることができます。 Lightning Talkのような短いプレゼンだと、しっかり練習して、全部頭の中にいれてから話すことが出来ますが、60分〜90分の講演になると何回も練習するというわけにもいかないので、発表者ツールがあると大変助かります。次のスライドがみえることで、スムーズに話をつなぐことができますし、残り時間を確認しながら予定通りの時間に収めることができます。

聴衆の反応をみながら内容を変える

もう一つのメリットは、プレゼンするスライドの順番を変えて、内容を調整できることです。同じ内容を話しても聴衆によって微妙に反応は異なります。あまり話をしたことのない聴衆を対象にしゃべるときには、反応が読めないので、少し多めにスライドを準備しておいて、反応をみながら内容を変えています。また同じ内容でも聴衆によって、ポイントの置き方が変わることもあります。予想外に反応が良いときには、そのセクションに少し時間をつかって丁寧に説明します。

また話の流れで途中でスライドを飛ばす必要ができてくることもあります。いつもは次にこのスライドを使っているけど、今日の聴衆にはこの話は関係ないので飛ばそう、とか、前半で丁寧に説明したら時間が押してしまったので、このセクションはさらっと説明したい、という場合です。

Keynoteのナビゲータ

こういうときにはKeynoteのナビゲータを使うとぽんっとスキップ出来るので大変便利です。ナビゲータは、発表者ツールの左上の「ナビゲーターを表示」というボタンを押すと表示されます。スライドが全て縦に表示されるので、スクロールして任意のスライドに飛びます。

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画面の一番左にあるのがナビゲータ

zoomでの発表者ツール

今年は新型コロナの影響で、講演はほぼzoomでの開催になっています。zoomでのプレゼンは画面共有をして行うわけですが、こちらがディスプレイを2つ使っている場合は、メインのスライドを共有し、もう一つのディスプレイに発表者ツールが映るようにするとうまくいきます。

余談ですがzoomでの発表の際に聴衆の顔が見えないと反応が全くわからないので、難易度がとても高くなります。冗談を言っても受けたのか、すべったのかも全くわかりません。特に聴衆が自宅から参加しているとカメラがオフになっていることが多いのですが、できるだけオンにしていただくようにお願いしています。例年伺っているある大学の講義も今年はオンライン講義でしたが、150名ほどの学生さんが全員カメラオフだったので、「差し支えない人はオンにしてほしい」とお願いしたところ、3人だけ顔をみせてくれた学生さんがいて、無事に終えることが出来ました。

モニターが1つしかない場合に発表者ツールを使うには?

自宅や職場でモニターを2つ使えるときはよいのですが、問題は外出先でプレゼンをするときです。自分のMacを会場に持っていくのですが、この場合は外付けモニタが使えないことが多いので、自分のMacの画面だけでやらないといけません。この場合に発表者ツールを使うにはどうしたらよいのでしょうか?

実はzoomの画面共有機能では画面の一部だけを共有することが出来ます。 画面共有の緑色のボタンを押したあとに出てくるウィンドウを選ぶ画面で、上のタブから詳細を選び、「画面の部分」というところをクリックします。

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詳細タブから「画面の部分」を選びます

すると緑色の四角が画面に出てきます。そうしたらKeynoteのメニュー「再生」→「スライドショーをリハーサル」を選びます。そうすると画面に発表者ツールが表示されるのでの左側の画面に、緑の四角を合わせます。これでzoomに参加してる人には通常と同じプレゼンテーションが表示されます。

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緑の四角を左の画面に合わせればバッチリです

一つ注意点は、この状態でナビゲーターを使うとナビゲータの一部がプレゼンテーションのスライドにかぶってしまうことです。スライドの中身は映らないのですが、ナビゲータを操作したことは聴衆にわかってしまいます。今のところこの問題のうまい回避方法は見つかっていません。

おわりに

今回はzoomでの発表者ツールの使い方を解説しました。 まだまだコロナの流行には終わりが見えないので、こういったスキルを磨いてリモートでも良いレクチャーが出来るようにしたいですね。